脂質異常改善のポイント
脂質異常といわれたけれど…どのくらい危険なの?
  脂質異常の診断基準値は、スクリーニングのための基準値であり、将来、動脈硬化疾患、特に冠動脈疾患の発症を促進させる危険性の高い病的脂質のレベルとして設定されています。
 

下の3項目のうち一つでも当てはまれば脂質異常です。



脂質異常の診断基準 健診ナビゲーターでの脂質評価


LDL(悪玉)コレステロー

140mg/dl以上 ※ 119mg/dl以下   問題なし
※ 120〜139mg/dl  少し高め
※ 140〜159mg/dl  軽度異常
※ 160〜179mg/dl  中程度異常
※ 180mg/dl以上  高度異常(治療が
必要)

HDL(善玉)コレステロー

40mg/dl未満 ※ 40mg/dl以上    問題なし
※ 35〜39mg/dl    軽度異常
※ 30〜34mg/dl    中程度異常
※ 29mg/dl以下   高度異常(治療が
必要)

トリグリセリド
TG(中性脂肪)
150mg/dl以上 ※ 149mg/dl 以下  問題なし
※ 150〜199mg/dl  少し高め
※ 200〜299md/dl  軽度異常
※ 300〜399mg/dl  中程度異常
※ 400mg/dl以上  高度異常(治療が
必要)
 脂質異常に当てはまるからといって、すぐさまお薬が必要というわけではありません。
 診断基準に基づいたスクリーニングに続き、動脈硬化性疾患の危険度を把握するためには、脂質異常以外の主要危険因子を確認して、目標値を設定する必要があります。
あなたの管理目標値をみてみましょう。
@〜Dのうちでいくつ当てはまりますか?
※ LDL以外の主要危険因子

 @加齢(男性:40歳以上、女性:55歳以上)
 A高血圧(130/85mmHg 以上)
 B喫煙
 C冠動脈疾患の家族歴
 D低HDLコレステロール血症(HDL<40mg/dl))
 E糖尿病
 F脳梗塞
 G閉塞性動脈硬化症
 
0個なら低リスク群、1〜2個なら中リスク群、3個以上なら高リスク群になります。
糖尿病、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症がある場合は、危険因子の数に関係なく高リスク群となります。
また、これまでに狭心症や心筋梗塞などの既往のある方は冠動脈疾患既往となります。
新しいリスク別脂質管理目標値(日本動脈硬化学会で検討中の案)
non-HDLの目標値はLDL+30mg/dl
治療方針の原則 カテゴリ 目標値 (mg/dl)
リスク群 LDL以外

※主要危

因子数
LDL non-
HDL
HDL TG

第一予防  

生活習慣の改善後、
薬物治療の適応を
考慮する
T(低リスク
群)
0 <160 <190 ≧ 40
150
U(中リスク
群)
1〜2 <140 <170
V(高リスク
群)
3以上 <120 <150

第二予防

生活習慣の改善とと
もに治療を考慮する
冠動脈疾患既往 <100 <130

non-HDLコレステロールは、新しい脂質管理の指標に!
 non-HDLコレステロールには動脈硬化惹起性脂質が含まれており、特に女性やメタボリックシンドローム等をかかえた方の脂質代謝のリスク評価に有用とされており、高ければ高いほど動脈硬化が促進されやすい状態をあらわしている指標といえます。日本ではLDLコレステロールに次ぐ第2の指標といわれ、近年注目されてきております。
 non-HDLコレステロール  =  総コレステロール  −  HDLコレステロール
 non-HDLコレステロールは、日本動脈硬化学会の発表する治療指針の時期改定版では新しく脂質管理指標となるであろうとされています。
 LDLコレステロール同様に、主要危険因子の数や既往疾患などによって目標値に違いがありますので、上記の『新しいリスク別管理目標値』の表をご覧ください。
LDL/HDL比が高いと動脈硬化がどんどん進行する
 動脈硬化予防のためには、LDLコレステロールや中性脂肪値を管理目標値に下げ、HDLコレステロールを管理目標値に上げる必要があります。その際に、コレステロールのバランスとして、LDL/HDL比が注目されています。
LDL/HDL比が高くなるにつれて動脈硬化がどんどん進行するといわれています。
LDL/HDL比  =  LDLコレステロール  ÷  HDLコレステロール
LDL/HDL比の目標値
一次予防 2.0以下 2.0を超えると
コレステロールの塊は大
きくなる
二次予防
糖尿病や高血圧に罹患し
ている場合
1.5以下 1.5を切ると
コレステロールの塊は小さ
くなる
※ 特に2.5を超えると大変心配です。

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