Home > 釧路市医師会方針

釧路市医師会方針

平成29年度 釧路市医師会事業計画

 昨年は、熊本、鳥取で大きな地震が発生し、私たちの住む国、日本が地震大国であることを改めて認識させられた一年でした。また、北海道に三個の台風が連続して上陸し、大きな被害を受けたことは温暖化による地球環境の変化が私たちの身近に迫っていることを感じさせる出来事でした。私たちも活火山である雌阿寒岳を抱えており、千島海溝に発生するプレート型の地震に周期的に見舞われており、こうした自然災害に対応する心構えが常に必要であることを肝に銘じておかなければなりません。

 さて、厚生省の発表によれば2015年度の国民医療費は41.5兆円を超え、前年比3.8%となっております。国民の高齢化、医療技術、医療機器の高度化などが主な原因ですが、高額な医薬品の影響もかなりの部分を占めています。今後も医療費は年間6500億円規模で増加が見込まれていますが、国はこの額を年間5000億円に抑制する方針です。 年金、介護、医療にかかわる社会保障費も毎年1兆円規模で拡大しており、今回の国会で介護保険料の自己負担増額が決定されようとしています。昨年6月に、政府が10%への消費税増税を2年半延期したことで、年金や医療、介護、子育てなどの社会保障費に充てる予定であった財源の確保が不透明になっております。イギリスがEUから離脱し、アメリカではトランプ政権が発足し、日本の将来の経済状況に不安が漂う中、北朝鮮のミサイル発射、東シナ海での中国の軍事力強化など地政学的リスクも高まっています。果たして、安倍政権が平成31年10月に消費税の増税をおこなって社会保障費を確保できるのか注視してゆきたいと思います。

 昨年12月「北海道地域医療構想」が策定されました。団塊の世代がすべて後期高齢者となる2025年度を見据え、従来の「病院完結型」の医療から、医療や介護が必要な状態になっても、出来る限り住み慣れた地域で安心して生活ができるよう、病気と共存しながら生活の質を維持していけるような「地域完結型」の医療に重点を移してゆくという構想であり、平成25年に向けて高度急性期、急性期、回復期、慢性期区分の病床数が、ビッグデータの解析や今後の人口構成の変化などを踏まえて見直されてゆきますが、医療機関を退院した患者さんの受け皿となる介護施設、および在宅医療の整備が十分なものにならなければなりません。 勿論、各施設間の連携、情報交換、信頼の構築が必要です。構想の実現に当たっては、医療費抑制ありきではなく地域の実情に応じた柔軟な対応が望まれます。

 釧路市医師会としても、地域住民の理解を得ながら、行政、そして、多くの医療関連職種と連携しながら、地域における医療、介護の包括ケアシステムの構築において、中心的な役割を果たしてゆかなくてはなりません。また、地域連携で豊富な実績を持つCCL(本音で地域連携のあり方を検討する会)への支援、協力も大変重要と考えます。勿論、釧路市医師会の役割は、地域の皆様が安心して生活ができるよう、保健、医療、介護、福祉の環境を行政や住民の皆様と連携しながら構築してゆくことと考えています。夜間急病センターの運営並びに2次、3次救急体制の維持、予防医療の拠点としての健診センターの運営、地域で活躍が期待される看護師養成のために看護学校の健全運営にも努めなければなりません。

 本年度は、新たな取り組みとして、日本人の約13%が罹患していると推定される「慢性腎臓病」この疾病は、心血管系疾患の危険因子でもあり、また、糖尿病、高血圧などの生活習慣病が、背景にあることも多く、その発症予防、早期診断、治療、重症化の防止については釧路地域における行政をも含めた包括的な医療関連職の連携と地域住民に向けた情報発信が必要と考えており、特定健診の受診率向上にも資するものと考えております。

 今後、関係する皆様のご意見を伺いながら釧路市医師会として慢性腎臓病治療のネットワークを構築してゆく所存です。 今後も会員の皆様のご指導を仰ぎながら健全な医師会運営を行ってゆく所存です。「人の命を大切にする医療」を目指し釧路市医師会員の総力を結集し前進しましょう。


各専門部は、平成29年度釧路市医師会事業計画を踏まえつつ、以下の事業を中心に活動する。

  1. 総務部
    1)定款・諸規定に関すること
    2)各種会議の効率的開催
    3)勤務医の入会促進(医療関連事業部と連携)
    4)健全会計保持のための対策研究(財務部と連携)
    5)新入会員に対する説明機会の確保
    6)医師会組織の更なる強化
    7)個人情報の保護・診療情報の開示についての情報提供
    8)一般社団法人移行後の会務の適切な管理・運営
    9)関係施設への情報の徹底
    10)会員の個人情報に関すること
  2. 医療政策部
    1)医療政策の研究・提言、情報・資料の収集、整備、提供
    2)医療制度改革に関する情報・資料の提供(勤務医、開業医協同作戦)
    3)地域保健・医療・福祉へのより積極的な取組と協力
    4) 地域医療住民フォーラムの開催及び支援
    5) 環境保健対策の推進
    6) 医師会活動の記録に関すること
  3. 医療保険部
    1)診療報酬体系に関する情報の提供
    2)保険医・保険医療機関の指導・監査に関する行政機関等、関係機関との連携強化
    3)労災・自賠責医療に関すること
    4)医薬品に関すること
    5)特定疾患(難病)に関すること
  4. 情報広報部
    1)道医総合情報システムの効率的な運用と情報提供究
    2)釧路市医師会報・釧医通信の充実・会員への広報
    3)ホームページの充実と総合情報の発信
  5. 健診・検査部
    1)健診センターの充実(事業所健診・市町村健診)
    2)臨床検査センターの活動推進と運営
  6. 地域保健部
    1)感染症危機管理対策の充実と情報提供
    2)地域保健医療の推進(母子保健・乳幼児保健・少子化対策・特定健診・保健指導・生活習慣病)
    3)学校保健活動・学校医の身分に関すること
    4) 糖尿病スキルアップ・セミナーの開催
    5)各種ワクチン接種事業の推進
    6)健康スポーツ医に関すること
    7)保健所に関すること
    8)うつ病・自殺予防対策事業の推進に関すること
  7. 医療安全部・医事法制部
    1)医の倫理の啓発と自浄作用の強化推進
    2)医療安全推進週間への積極的参加
    3)診療情報等に関する保健所との連携強化
    4)医事紛争の適正・迅速処理と医師賠償責任保険の理解徹底
    5)医事法制に関すること
    6)医療相談に関すること
    7)医療安全に関するマニュアル等の整備
  8. 学術部
    1)日医生涯教育講座の積極的な開催
    2)学会及び教育・研究機関との連携強化
    3)各種研修会・講習会への支援・協力
  9. 産業保健部
    1)地域産業保健センター事業に関すること
    2)産業医研修事業の充実
    3)研修会等の情報提供
    4) 産業医と精神科等専門家とのネットワークシステムの構築
  10. 地域福祉部
    1)介護保険制度並びに障害者自立支援制度への対応
    2)介護保険関連情報の収集・提供
    3)地域福祉団体との連携強化
    4)母子福祉・児童福祉・障害者福祉・精神保健福祉に関すること
    5)地域包括ケアシステムに関すること
  11. 救急医療部
    1)救急医療体制の保持及び釧路市夜間急病センターの管理運営
    2)救急医療体制の確保(メディカルコントロール体制構築の支援等)
    3)救急医療機関の相互連携強化
    4)災害時医療救護訓練への積極的参加及び釧路管内医療救護体制の構築
    5)ドクターヘリ運用体制の強化
    6)カンタン救急蘇生講習会の継続開催
  12. 医業経営・福利厚生部
    1)道医主催医業経営講習会への積極的参加(患者接遇研修会を含む)
    2)税制および年金に関すること
    3)福利厚生事業の見直し・充実検討
  13. 医療関連事業部
    1)医師の労働環境に関すること
    2)釧路市医師会看護専門学校の運営推進
    3)勤務医の組織強化(総務部と連携)
    4)女医会への支援
    5)男女共同参画に関すること
  14. 財務部
    1)一般社団法人移行に伴う組織の強化
    2)健全会計保持のための対策研究(総務部と連携)
    3)会計・経理の適切な運用
  15. 地域医療部
    1)地域医療に関すること
      (a)医師確保に関すること
      (b)地域医療連携に関すること
      (c)がん対策に関すること
      (d)へきち医療に関すること
      (e)医療機関の運営に関すること
      (f)CKDネットワークの運営に関すること
    2)医療施設に関すること
      (a)医療施設・施設整備に関すること
      (b)共同利用施設に関すること
      (c)精度管理に関すること
      (d)医療廃棄物に関すること
    3)病院団体との連携に関すること